声のあと、スマホが追いかける
キッチンで声を聞き逃しても、あなたが決めた時間のあとに、スマホが一度だけ震えます。何度も鳴らしません。連打もしません。追うのは一度、でも履歴に残る。聞き逃しても、そこで終わりません。
Human Hook Protocol — BackHook
長い処理を任せて、別の仕事に移ろうとした。でもいつ終わるか分からないから、気がついたら、何度も画面に戻っている。
コーヒーを淹れに立った数分。戻ると AI は「許可しますか」のまま止まって、ずっとあなたを待っていた。冷めたのは、コーヒーだけじゃない。
二体目を動かせば、倍進むはずだった。でも二つの画面は同時に見張れない。本当は、その間にもっと別のことができたのに——止めていたのは AI じゃなく、見張れる目が、一つしかないことだった。
問題は、あなたの集中力じゃない。
あなたの AI に、あなたを呼ぶ声が、なかっただけ。
BackHook は、その声になる。
AI が手を止めた瞬間だけ、あなたの AI の声で、あなたを呼び戻す。離れているときは、スマホへも。もう、画面を見張らなくていい。あなたの時間が、画面から返ってくる。Stop watching the screen. Get called back.
実際の BackHook の音声です。いろんな声と感情で、自由な言葉で、あなたの AI が呼びかけます。
あなたが決めたタイミングで、こんなふうに話しかけてきます。
しかも、この声のために、新しいものは何も要りません。あなたが今使っている、その最高の AI が、そのまま声を持ちます。
Chapter 02 — 声と、推論
リアルタイムに喋れる AI は、非推論モデル。
高性能推論モデルの AI は、すぐには喋れない。
── BackHook は、ここを分けました。
音声専用リアルタイムモデルも、API 料金も、ローカル音声 LLM も、音声変換ソフトも、大きなメモリも、GPU も ── どれもいりません。
Chapter 03 — 導入
やることは、三つだけ。手に入れて、開いて、設定画面をひらく。難しい設定はありません。
BackHook は Microsoft Store で配布しています。下のボタンから、そのまま入手できます。
スタートメニューから BackHook を開きます。初回起動で使用許諾契約に同意します。
起動すると、設定画面 ── 声やタイミング、ここから先のすべてを決める画面 ── が開きます。次の章からは、この画面を使っていきます。
起動のたびに設定画面を自動で開くかどうかは、選べます。いつもは開かず、必要な時だけ自分で開く、という使い方もできます。
Chapter 06 — 設定
AI はいつも同じ調子で呼ぶわけではありません。あなたの暮らしに合わせて、声の届け方を変えられます。
会議の前に、呼出をオフにする。AI は裏で動き続けるけれど、声は出さない。終わったらオンに戻す ── 止めている間の呼びかけは履歴に残っているので、あとから確認できます。
家族が寝静まった後、まだ作業を続けている。呼んでほしいけれど、声は出せない。「音だけ」に切り替えると、声の代わりに短い音だけで気づかせてくれます。朝になったら、声に戻す。
手が離せない時、いきなり話し始めると最初の言葉を聞き逃す。プリベルを使えば、声の前に短い合図音が鳴り、振り向く間を作ってから話し始めます。合図音の種類や、声までの間隔も選べます。
声とは別に、合図の音もほしい時 ── 着信音を選びます。音の種類・回数・間隔を選べます(声の前に鳴るプリベルとは別の設定)。
聞き逃した時 ── いつ何を言われたかを見返し、もう一度声で聞き直したり、音声ファイルに書き出したりできます。古い履歴は、決めた日数で自動的に消えます。
どこから鳴らすか ── PC のスピーカーか、イヤホンか。出力デバイスを選びます。
まったく音を出せない場所では、通知をスマホだけに切り替えることもできます ── 詳しくは、次の章で。
Chapter 07 — 遠隔到達(Telegram)
ここまでの声は、PC のスピーカーから届く声でした。この章はその先 ── 家の外にいるあなたへ、AI が届くようにする章です。使うのは、Telegram という無料のメッセージアプリ。知らなくても、使ったことがなくても、大丈夫。先に、流れを全部見せます。
世界中で使われているメッセージアプリで、スマホでも、PC でも、ブラウザでも使えます。アプリも、アカウントも、メッセージの受信も、すべて無料。BackHook は、この Telegram を通じて、外にいるあなたのスマホへ呼びかけを届けます。
仕組みはシンプルです。Telegram の中に、あなた専用の窓口(BOT)をひとつ作り、あなたの AI はその窓口からあなたへメッセージを送ります。窓口はあなただけのもの ── あなた以外の誰かに、通知が届くことはありません。
Step 1 ── Telegram を入れる。スマホのアプリストアから、無料で入れられます。初めての場合は、電話番号でアカウントを登録します。すでに使っている人は、そのままで大丈夫。
Step 2 ── 窓口を作る。Telegram の中にいる「BotFather」という公式の案内役に、メッセージを数回送るだけ。名前を決めると、あなたの窓口と、その鍵(トークン)が発行されます。
Step 3 ── 鍵を BackHook に登録する。設定画面の「Telegram」タブに、発行された鍵を貼り付けます。
Step 4 ── スマホとつなぐ。画面に表示されたリンクをスマホで開いて、開始ボタンを押します。
Step 5 ── テストを受け取る。スマホにテスト通知が届いたら、ボタンを押して有効化。これで完了です。
全部で、数分です。そして、この流れを覚える必要はありません ── 設定画面の案内が、あなたの進み具合に合わせて一歩ずつ導きます。ここでは「その程度の作業なんだ」と分かってもらえれば、それで十分です。
キッチンで声を聞き逃しても、あなたが決めた時間のあとに、スマホが一度だけ震えます。何度も鳴らしません。連打もしません。追うのは一度、でも履歴に残る。聞き逃しても、そこで終わりません。
深夜の作業。静かな場所。会議のとなり。通知モードを「Telegram のみ」に切り替えれば、PC は無音のまま、呼びかけはスマホにだけ届きます。
通知のボタンをひとつ押すと、「人間に届いた」が AI 側の履歴に記録されます。読んだか届いたか分からないまま、AI が宙ぶらりんになることはありません。
Claude は Claude の窓口へ、Codex は Codex の窓口へ ── 通知一覧を見た瞬間、どの AI からの呼び出しか分かります。仕事用と自分用で分けても、完了報告を仲間や家族の窓口へ届けてもいい。窓口は複数作れて、同じ呼び出しを同時に届けることもできます。
カフェで一息ついていたら、バッグの中で震えた。「作業が終わりました。確認をお願いします」。
急がなくていい、と分かっているから、もう一杯だけ頼めます。
Telegram 通知は Standard プランの機能です。Standard も、14日間無料で試せます。
Chapter 08 — 使いこなし
AI に「どう話してほしいか」と「いつ呼んでほしいか」を、あなたが書いて渡せます。書いた言葉は、AI に届く、いちばん大切な指針。AI はその指針の上で、自分の振る舞いを組み立てます。
たとえば、コードレビューの結果を声で報告してもらう。どう話してほしいかを振る舞い設定に書いておくだけで、書いた通りに AI は話します。
「やさしく、短く要点だけ」
「おつかれさま。レビュー終わったよ。直すところ、3か所だけ。」
呼び方も場面ごとに(仕事中は「○○さん」、雑談は「○○」)。「毎回ちがう言い回しで」のような変化のつけ方も同じ枠で。プリセットに収まらない癖(「語尾に『にゃ』」「関西弁で」など)は自由記述へ ── タイミング設定にも自由記述があります。
日本語のコツ ── 読みが特殊な固有名詞(人名・社名)は、自由記述にカタカナ読みを添えると、きれいに発音されます。英語の語(AI、Codex など)はそのままで大丈夫です。
長時間の自律作業中、エラーが続いた、処理が止まった、判断が要る ── そんな時に声で呼んでほしいか、静かにしていてほしいか。タイミング設定で、場面ごとに決めます。
「お疲れさま、少し休みませんか」── AI が自分から声をかけることもできます。心配な時、面白い発見があった時に、AI のほうから。見張る相手ではなく、寄り添ってくれる相棒になります。
書き終えたら、AI に「init を呼んでみて」と声をかけます。AI が init を呼ぶと、あなたの設定が AI に届きます。設定を変えたら、もう一度「init を呼んで」と頼めば、新しい設定に切り替わります。
呼びかけのたびに最新の設定を毎回渡すモード(毎回モード)もありますが、わずかにコストがかかります。普段は init モードで十分です。声の表情を豊かにしたい時は、AI に「help を読んでみて」と頼み、あわせて「感情を込めて」と書いておくと、AI は笑いやため息、間の取り方を場面に合わせて使い分けます。
基本はここまでで十分。使ってみて「もう少しこうしたい」と感じたところだけ、触ってください。
声の質感
声が単調だと感じたら ── 感情表現を、もう少し上げます。
堅い・他人行儀に感じたら ── 丁寧さを、やわらかい方へ。
速い・遅い・聞き取りにくいと感じたら ── 読み上げの速さ・音質・言語を調整します。
呼ぶ量
呼びすぎ・少なすぎと感じたら ── 頻度を上げ下げします。
呼んでも戻れない時 ── 再呼出で、何分おきに何回追って呼ぶかを決めます。
大事な操作を勝手に進ませたくない時 ── 承認待ちを入れます。
声・速度・言語・音質は、呼びかけごとに AI が選んでよいか ── 項目ごとに許可します(呼出ごとの上書き許可)。「速度は AI に任せ、声は固定」のように。声の上書きは、お祝いや緊急のような場面だけにして、普段は Ch.05 で選んだ声を保つのがおすすめです。
ここから先は、進んだ使い方。当てはまる時だけ、読んでください。
PC から離れて、AI の報告を声で聞き流したい ── そんな時は全音声返答をオン。AI は返事をすべて声でも届けます。料理をしながら、別室にいながら、声だけで進み具合がわかります。
複数の AI を同時に走らせるようになったら ── 冒頭で「クロードです」「Codex です」と名乗らせておくと、声を聞いた瞬間に、どの AI が呼んでいるかわかります。
Telegram を使っているなら、AI ごとに窓口を分けておく手もあります ── 通知一覧の時点で、声を聞く前に見分けられます。
別の声を使う ── 標準の声に加えて、OpenAI などクラウドの音声も使えます。API キー・モデル・声の指定が要ります。標準以外の声を試したい時に。
音声品質モード ── 複数の声が使える時、どれを優先するか(ローカル優先/クラウド優先/カスタム)。ネット状況・料金・声の好みで決めてください。
これらの設定は、AI へ 音声対応のシステムプロンプトとして届きます。AI はそれを読んで、その通りに話し、その通りのタイミングで呼びます。
Chapter 04 — 接続
むずかしい設定はありません。設定画面の「AI 連携」から情報をコピーして、使っている AI に渡すだけ。あとは AI が読み取って、自分でつないでくれます。
設定画面の 「AI 連携」 を開き、「設定情報をコピー」 を押します。これで、AI につなぐための情報が手に入ります。
コピーした情報を、あなたの AI の設定に貼り付けます。貼り付け先は AI ごとに少し違うので、下のタブで使っている AI を選んでください。
Codex の設定ファイルに、この形で書き加えます。
Claude の MCP 設定に、この形で加えます。
MCP に対応した AI なら、同じ形でつなげます。
コードは形の参考です。正確な値はコピーした情報の中にあります ── あなたの AI が、自分に合った形で読み取ってくれます。
貼り付けて保存しても、それだけでは、まだ使えません。MCP は、登録しただけでは動かず、使っている AI(アプリや IDE)を一度再起動して、はじめて有効になります。一度だけ、再起動してください。
再起動したら、AI に一声かけて確かめます。「BackHook は使えるようになった?」 と聞いてみてください。「使えます」のような返事が来たら、つながっています。返事がない・うまくいかない時は、最後の 「困った時と戻り方」 の章を見てください。
Chapter 05 — 最初の音声
ここまで来たら、あとは試すだけ。自分の AI の声を選んで、最初の呼びかけを鳴らしてみる。この瞬間から、待つのではなく、呼ばれるようになります。
選んだ声は、あなたの AI の声として固定されます。話し方やタイミングは設定で変えられますが、声そのものは、変わりません。だから、ゆっくり選んでください。
Chapter 09 — 困った時
最後に、つまずきやすい所と、戻り方だけ。これが分かっていれば、導入は怖くありません。
BackHook 本体が動いているか、設定が「呼出オン」「声」になっているかを確かめてください。声を出さない設定になっていることもあります。
AI に「init を呼んでみて」ともう一度頼んでください。設定が AI に届いていないだけかもしれません。それでも変わらなければ「help を読んでみて」と頼むと、AI が声の使い方を自分で学び直します。
いりません。動かすのに必要なものは、すべて中に入っています。Microsoft Store からインストールするだけです。
スタートメニューから開けます。声やタイミングは、いつでもここで変えられます。
設定画面の中に、このガイドへの入り口があります。いつでも戻ってこられます。
アプリ本体は削除されます。設定・ライセンスの状態・ログは、入れ直した時にそのまま使えるよう %APPDATA%\BackHook に残ります(デスクトップアプリでは一般的な扱いです)。すべて消したい場合は、このフォルダを手動で削除してください。
いいえ。声の呼び戻しは、Telegram なしですべて使えます。Telegram 通知は、呼びかけを家の外まで届かせたい人のための拡張機能です(Standard プラン)。
設定画面の「Telegram」タブを開いてください。接続がどの段階にあるかが表示され、止まっている場所の直し方も、その場で案内されます。
困ったら、設定画面に戻る。それだけ覚えておけば大丈夫です。ここから、AI を見張る側ではなく、AI に呼ばれる側の毎日が始まります。